赤ちゃんの「頭の形」相談増えています(院長ブログ)
最近ご相談が増えています。まずは「絶対に気を付けてほしいこと」から
⚠️ 睡眠時ポジショナー類は使用しないでください。
窒息や睡眠関連死(SIDS/SUID)、BRUEのリスク増につながるおそれがあり、安全性は医学的に確認されていません。米国小児科学会(AAP)は「ベビーの寝具にポジショナー・くさび・枕などを置かない」ことを強く推奨し、FDA/CPSCもポジショナーは使用しないよう注意喚起しています。
「姿勢が安定していれば大丈夫」という情報は誤解を招きます。まずは、かかりつけ小児科でご確認ください。
※根拠:AAP安全な睡眠方針/FDA・CPSCのポジショナー警告・HealthyChildren.org等。
長時間の横臥位固定と股関節への影響
新生児〜乳児期に横向き姿勢を器具で固定すると、下側の股関節の可動が妨げられ、発育性股関節形成不全(DDH)のリスクを高めます。後天的に進んでしまった軽い発育性股関節形成不全は健診では気が付くことが難しく、50代60代になってから歩行障害や股関節痛につながる病気です。
理学療法の開始時期と効果の目安
アメリカでも理学療法が取り入れられており、「きちんと勉強した、資格の有る先生」なら改善できるようです。ただし、効果が高いのは、生後3、4か月までであり、特に2か月程度で始めた方で効果が高いようです。もし、4か月までで改善がない場合、早めに専門の頭の形に詳しい小児科医に相談してほしいと思います。また、自費診療の詐欺が増えているとの報告があります。赤ちゃんの頭というのは、本当にデリケートで、大切な部位です。特に生後間もない時は、急速に発達していく時期であり、まずは、その先生が本当に信頼できる資格をお持ちか、必ず確認してみてくださいね。
まずは「頭蓋縫合早期癒合症」の可能性を評価
また、整体や理学療法士の先生方は「頭蓋縫合早期癒合症」について、実際の診療に携わったりされていることはほぼ無いと思いますので、改善しない場合は、一度早めに頭の形外来を受診していただきたいと考えます。
見逃しによるリスクと月齢の影響
なぜなら、頭蓋縫合早期癒合症は、早く見つけられないと、脳が圧迫され、発達への影響が起こりうること、5,6か月以降になると、頭蓋骨をバラバラにして、骨を組み合わせるという大変な手術が必要となってしまいます。その場合、かなりの確率で輸血も必要となります。
早期診断で選べる低侵襲治療と利点
しかし、頭蓋縫合早期癒合症は、4か月までに診断できると、輸血がほぼ必要なく、骨に少し切れ目を入れるような手術を行い、後からヘルメット治療を行うような治療法が選択できます。これは輸血の必要性もぐんと下がり、手術のリスクも下げられます。
一般小児科で情報が届きにくい背景
実はほとんどの小児科医はこの病気、治療方法、予後について知らないのではないかと思っております。もしかしたら、ヘルメット治療を掲げていらっしゃる小児科医の先生方も、どれだけの方が実際にご存じかどうか、それまでの医師の経験によると思われます。
研修経験と診療への反映
小児科専門医のテストで「頭蓋縫合早期癒合症」という病名は出ません。脳外科の勉強会や学会に参加したことがある先生だけが知る事実です。
受診のおすすめ(ヘルメット検討の有無に関わらず)
実は生後2,3か月に一番大事なのが、「重症な頭蓋縫合早期癒合症を見逃さない」ことだったりします。ですので、ヘルメットの治療は抜きにしても、頭の形の相談外来をやっているクリニック、病院、詳しい先生を受診して、相談いただくと安心かと思います!
パッソクリニックでは、開院してから数百症例のヘルメット治療に携わっておりますが、それ以前に、予防指導にも力を入れています。月齢の低いうちであれば、赤ちゃんの頭も柔らかく、色々な幅が広がりますので、ぜひお早めにご相談ください。
※小さな相談も、お気軽にどうぞ!
参考文献・公的情報(クリックで展開)
- AAP Safe Sleep(2022改訂の推奨まとめ)。米国小児科学会。(安全な睡眠:背臥位/寝床に物を置かない/ポジショナー回避)
- FDA/CPSC:乳児用スリープポジショナー等の使用回避に関する警告。
- 日本頭蓋顎顔面外科学会
あたまのかたち | 2025.10.08









